顔面神経麻痺の治療費総額|医療費控除と高額療養費

はじめに
顔面神経麻痺の治療では、病院での検査や処方薬、継続的な鍼灸施術など様々な費用がかかり、治療費総額の負担に不安を感じる方も少なくありません。
費用の負担を抑えるには、「高額療養費制度」や「医療費控除」の仕組みを正しく理解し活用することが大切です。本記事では費用軽減に役立つ手続きや注意点を分かりやすく解説します。
高額療養費制度とはどんな仕組み?
高額療養費制度とは、病院の窓口で支払う1ヶ月(1日から末日まで)の医療費が、決められた上限額を超えた場合に、超えた分の費用が後から払い戻される(または支払いを抑えられる)公的制度です。
年齢や収入に応じて1ヶ月の自己負担上限額が決まっており、急な病気やケガで大きな医療費がかかったときでも、家計の負担を大幅に減らすことができます。
顔面神経麻痺の治療で「高額療養費制度」は使えるの?
顔面神経麻痺の治療でも高額療養費制度を利用することは可能です。ただし、「公的医療保険が使える治療(保険診療)」に限られます。
具体的には、発症直後の入院費や手術費が対象となる一方で、鍼灸治療などは対象外となります。受けている治療の種類による違いは以下の通りです。

このように、高額療養費制度は「顔面神経麻痺の急性期にかかる病院での入院費用や手術費用」が高額になった際に大きな助けとなります。
一方で、病院での治療(標準治療)終了後に受ける鍼灸治療の費用にはこの制度は利用できないため、後述する「医療費控除」などを別に活用していく必要があります。
高額療養費制度における適用範囲と自己負担上限額の計算構造
高額療養費制度は、健康保険法等の公的医療保険制度に基づき、同一月(暦月)内に医療機関の窓口で支払った保険診療に係る一部負担金が、被保険者の所得区分に応じた自己負担上限額を超えた場合に、その超過額を高額療養費として支給する制度です。
本制度の適用対象は、診療・薬剤・入院・手術など保険給付の対象となる療養の給付に限られます。
そのため、顔面神経麻痺における急性期のステロイド大量療法等の入院加療や減圧手術等の保険診療費用は合算対象となりますが、保険適用外となる施術料(鍼灸等)や、療養の給付に含まれない差額ベッド代(特別療養環境室料)、入院時食事療養費の標準負担額などは算出基礎から除外されます。
70歳未満の所得区分は標準報酬月額等に応じて5段階等に区分され、上限額は「80,100円+(医療費−267,000円)×1%」などの算式で設定されます。
また、過去12ヶ月以内に3回以上高額療養費の支給を受けた場合、4回目以降は「多数回該当」が適用され、自己負担上限額がさらに引き下げられます。
参考文献:・『高額療養費制度 ひろがる日本の〈健康格差〉』
著者:西村 章
出版社:集英社(集英社新書)
医療費控除とはどんな制度?
医療費控除とは、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費の合計が一定の金額(原則10万円)を超えた場合に、確定申告をすることで税金(所得税や住民税)が安くなる国の制度です。
自分自身だけでなく、生活費を同じ財布から出している「生計を一にする家族」の医療費もすべて合算して計算することができます。
顔面神経麻痺の治療に「医療費控除」は使えるの?
顔面神経麻痺の治療でかかった費用についても、医療費控除を申請することが可能です。
病院での検査費や処方薬代だけでなく、後遺症の予防や回復を目的とした「鍼灸(はり・きゅう)治療」や「通院のための交通費」も対象に含まれます。
ただし、鍼灸治療や通院に関連するすべての費用が認められるわけではありません。対象となるものと対象外となるものは以下の通りです。

このように、疲れをとるためのリラクゼーションや自家用車の費用は対象外ですが、国家資格者による治療目的の鍼灸施術や公共交通機関での通院費はしっかりと医療費控除の対象になります。
領収書や通院メモを日頃から大切に保管しておくことが、賢く節税するポイントです。
鍼灸施術料および通院交通費における所得税法上の医療費控除の適用要件
所得税法第73条に規定される医療費控除において、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師等の国家資格者に対して支払う施術料は、単なる体調調律や疲労回復、健康増進目的ではなく、麻痺や神経痛等の傷病に対する「治療又は療養に直接必要な対価」である場合に限り、医療費として認められます(所令207条四)。
そのため、無資格者による施術やリラクゼーション、整体等は除外されます。
また、診療や施術を受けるため直接必要な人的役務の対価(所令207条五)として、通院時の公共交通機関(電車・バス等)の運賃や、病状等により乗車が不可欠と認められる場合のタクシー代も対象となります(所基通73-3)。
一方で、自家用車で通院した際のガソリン代、高速道路通行料、駐車場代や、患者謝礼金等は直接必要な費用に含まれず控除対象外です(問98)。
・参考文献:・『医療費控除のすべてがわかる本(令和8年3月申告用)』
編集代表:藤本 清一
編集:税務研究会
出版社:税務研究会出版局
確定申告で治療費を取り戻す流れと節税のコツは?

顔面神経麻痺の治療にかかった費用を取り戻すには、毎年1月1日〜12月31日分をまとめて確定申告を行います。
病院の治療費や薬代はもちろん、専門資格者による鍼灸治療費や通院の電車・バス代のメモも控除対象です。「医療費控除の明細書」を作成して提出し、領収書や通院メモは5年間自宅で保管します。
また、医療費控除は所得税率が高い人ほど還付・減税額が大きくなる仕組みになっています。
そのため、所得が高い方ほど手元に戻る金額も大きくなり、高い節税効果を得られます。国のルールで認められた医療費控除を賢く活用し、費用面を理由に諦めることなく、安心して継続的な鍼灸治療に専念してください。
所得税率と控除額の相関関係および還付申告における手続要件
医療費控除(所得税法第73条)による税負担軽減効果は、算出された医療費控除額に適用される限界税率を乗じた金額となるため、累進税率構造下においては高所得者層ほど還付・減税の絶対額が大きくなります。
控除額は「(年間支払医療費総額 − 保険金等補填額) − 10万円(総所得金額等が200万円未満の場合はその5%)」で算出され、最高200万円まで適用されます。
はり師・きゅう師等による治療目的の施術料や直接必要な通院交通費は法的に医療費と認められており、これらを漏れなく計上することが税負担軽減の要となります。
申告手続では「医療費控除の明細書」を提出し、領収書や通院経路を記載した関係書類は申告期限等から5年間の自宅保存が法律上義務付けられています。
・参考文献:・『医療費控除のすべてがわかる本(令和8年3月申告用)』
編集代表:藤本 清一
編集:税務研究会
出版社:税務研究会出版局
結局、顔面神経麻痺の鍼灸治療費総額はどれくらい?

重症度や治療期間によって個人差があります。
急性期の入院費や手術費(保険診療)は、高額療養費制度の適用により1ヶ月の自己負担額が抑えられます。
一方、病院での標準治療(保険診療)後に受ける鍼灸治療費は医療費控除の対象となりますが、重症度や治療期間、鍼灸院によっても料金が異なるため、予算の幅も大きく変わります。
当院では「アブミ骨筋反射検査」や「医療用サーモグラフィ」を用いた精密な全身検査を行い、麻痺や症状の根本原因へ的確にアプローチする専門施術を行っているため一般的な鍼灸院より費用は高めです。
(検査後に、必要だと思われる治療の組み合わせをご提案させていただくため、事前にお見積もりを作成しております。)
しかし、医療費控除を賢く申請することで実質的な負担を抑えながら安心して高度な施術を受けることができます。
まとめ|正しく制度を使って、安心して治療に専念しよう
顔面神経麻痺の治療費総額は、公的制度の活用で大幅に抑えられます。病院での入院・手術費は「高額療養費制度」、鍼灸施術費や通院交通費は「医療費控除」の対象となり、確定申告で税金の還付や減税が得られます。
制度を上手に組み合わせることで金銭的な不安は大きく減らせますので、領収書や通院記録を大切に保管し、気兼ねなく鍼灸治療をお受けください。当院では鍼灸治療はもちろん、費用や手続きに関するご質問も承っております。お一人で悩まず、まずは当院の無料相談へお気軽にご相談ください。
参考文献
・『医療費控除のすべてがわかる本(令和8年3月申告用)』
編集代表:藤本 清一
編集:税務研究会
出版社:税務研究会出版局
・『高額療養費制度 ひろがる日本の〈健康格差〉』
著者:西村 章
出版社:集英社(集英社新書)
顔面神経麻痺の鍼灸外来
一般的な鍼灸院では行わない「耳の検査」で、回復の兆しを探ります。
「病院での治療は終わったけれど、顔の動きが戻らない」「後遺症が心配」
私たちはそうした不安を抱える患者さんと日々向き合っています。
当院が他の鍼灸院と決定的に違うのは、「アブミ骨筋反射」を確認すること。
顔面神経は、実は耳の奥にある小さな筋肉(アブミ骨筋)にも繋がっています。音が鳴った時にこの筋肉が反応するかを見ることで、神経が反応できる状態かを知る重要な手がかりになります。
この検査には医療機関レベルの専門機器が必要なため、一般的な鍼灸院で行われることはまずありません。
当院では、見た目や感覚だけに頼らず、こうした「客観的なデータ」をもとに治療方針を立てます。「もう治らない」と諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。
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当院について
森上鍼灸整骨院
院長 吉池 弘明
森上鍼灸治療では、西洋医学の代替医療として鍼灸治療に取り組んでいます。
顔面神経麻痺や突発性難聴の患者様には、臨床経験20年以上の鍼灸師がチームを組んで治療にあたります。


